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猪瀬知事に見るラベリングの恐ろしさ

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猪瀬発言をトルコが許す

猪瀬知事の問題発言に対して、今回トルコのクルチ青年スポーツ相が「許す」とコメントしたそうです。

まずは良かったですね。猪瀬さんもホッとしているのではないでしょうか。

猪瀬さんとしては「戦争」を「けんか」と和らげる事によって批判したつもりだったのでしょうがその発言そのもの自体がすでにまずい発言になってしまいました。

 

そもそも今回の発言の本質的な問題は猪瀬知事の「イスラム=戦争」とか「イスラム=悪」というアメリカが作り出したイメージを猪瀬知事が深層心理にラベリングしていたことがつい口からポロリと出てしまったことにあると思います。

ラベリングとは

1960年代にハワード・S・ベッカーによって提唱された概念です。

ある人や事柄のごく一部から表現されるような名称を与えて、それがその人や事柄のすべてであると決めつける事を言います。

今回は日本に入ってくるイスラム世界の情報(9.11をはじめとする)から、イスラムの国全部が「けんかしている」というラベリングによるものだと考えられます。

 

いつも気をつけていなければいけない

今回の件はまさにそのラベリングによる、イスラムへのイメージが招いたことに尽きると思います。

猪瀬さんほどの知識人でもこのようにラベリングによる既成概念を取り払う事は非常に難しいので、いつも意識的に事実から判断し、客観的に物を見て、本質は何なのか?と問い続ける必要があります。

 

東京の副知事になってみたら (小学館101新書)

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